離婚は身近な法律トラブルの1つです。夫婦ふたりの協議だけで慰謝料や養育費、親権、財産分与などの諸事項を決められればいいですが、これらの事項をスムーズに決めることはなかなか難しいものです。
そこで多くの方が頼ることになるのが弁護士や司法書士、行政書士などの法律家です。また、このような専門家に相談する前の段階として、自治体の相談会や法テラスでの相談を行なう場合もあります。
今回は、それぞれの離婚相談窓口について、相談するメリットとデメリットをご紹介します。
・日本司法支援センター
日本司法支援センターは、通称「法テラス」と呼ばれており、法律トラブル解決の援助を行なっています。
法務省が所管しているため、民事、刑事を問わず法的サービスがより身近に受けられるようにする目的でサービスが提供されており、法律に関する情報案内、経済的に余裕がない人に向けての法律相談、裁判費用の相談や犯罪被害者支援などを電話やサイトによって行なっています。
法テラスでの無料相談には所得制限があり、条件によっては有料になってしまいますが、公的機関として信用して相談することができます。
・自治体
多くの自治体では法律相談を無料で行なっています。各地域の弁護士会の弁護士が相談を担当していて、面談形式で相談を行なっています。
通常の場合、事前予約制で相談時間は1人20分から30分となっており、同じ内容の相談は何度もすることができないというところがほとんどです。無料なことから気軽に相談できるというメリットもありますが、あまり時間をかけて相談できるわけではなく、相性のいい弁護士に当たるか分からないという難点もあります。
自治体では無料の法律相談を弁護士の斡旋ではなく、あくまで法律相談と捉えているため、継続した相談は新たに他の弁護士に相談しなくてはなりません。
また、各自治体には離婚時の状況によって付随してくるDVやモラハラなどの問題について相談できる婦人相談所や女性センター、18歳以下の子供の問題について相談できる児童相談所もあります。
・弁護士サイト
インターネット上には離婚に関する様々な情報が載せられており、過去の事案の例や自分が困っている問題の解決方法などが記載されていることもあります。
しかし、同じ分野の離婚問題であっても、それぞれのケースによって解決方法は異なるため、インターネット上の情報だけを基に最適な解決をできることはあまりないともいえます。
そのため、弁護士サイトを基に離婚問題の解決を図る際には、必ずサイトに記載されている弁護士にも相談することをおすすめします。
・弁護士
弁護士は訴訟代理人になることができるため、裁判になったときにそのまま手続きを依頼することができます。
離婚の際に訴訟の原因となりやすい財産分与や親権問題についての具体的な相談もすることができます。弁護士に離婚裁判を依頼する際には、他の解決方法と比べて費用は高額になりますが、弁護士を立てることで交渉をできる限り有利に進めることができます。また、自分に合う、信用できる弁護士に依頼することができれば、弁護士は調停や訴訟でも大きな力になります。
・家庭裁判所
家庭裁判所は家庭に関する事件の審判や少年にまつわる審判を担当しています。離婚や相続などの家事問題を無料で相談することができますが、家庭裁判所の場合には離婚手続きに関して常に中立であり、一方に有利なアドバイスをすることはできません。
また、家庭裁判所から審判や訴訟に関する手続き面でのアドバイスを受けることはできますが、実際に審判や訴訟の中で主張するべきことや主張内容について相談することはできません。
・まとめ
このように離婚の相談窓口は多くありますが、それぞれの窓口に特徴があるため、自分の相談内容や求める解決スピード、解決にかけられる費用などを考慮して相談窓口を選ぶことが重要です。
離婚問題解決のスタートである相談窓口を適切に選ぶことで、自分に最適な解決を図ることをおすすめします。