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【交通事故の慰謝料】通院日数15日・3か月・6か月ごとの慰謝料相場と計算方法 - 相談サポート通信|アスクプロ株式会社

この記事でわかること

交通事故の慰謝料は、使う算定基準や通院日数で変化します。

交通事故にあった人は、自分の通院日数でどのくらいの慰謝料が相場になるのか、気になるのではないでしょうか。

この記事では、交通事故慰謝料の相場と計算方法について解説します。

通院日数による相場や、交通事故の慰謝料算定に使う算出基準などもあわせて説明します。

交通事故の慰謝料算出の基準

交通事故の慰謝料算出には「自賠責の基準」「任意保険の基準」「弁護士や裁判所の基準」という3つの基準が使われています。

計算にどの基準を用いるかによって、慰謝料額や相場が変わるため注意が必要です。

通院日数と慰謝料の関係、相場などを説明する前に、まずは3つの基準について見ていきましょう。

自賠責の基準

交通事故の慰謝料算定基準の中でも「最低限のライン」を定めた基準が自賠責の基準です。

自賠責の基準は、加入が義務付けられている自賠責によって慰謝料を計算する方法になります。

自賠責の基準はあくまで最低限ですので、算定される慰謝料金額が低めになりがちであるという特徴があるのです。

また自賠責の基準では、慰謝料や治療費、休業損害などを含めて、最大で120万円という限度額が定められています。

交通事故による怪我の程度や通院日数によっては、十分な補償を得られない可能性があるため、注意が必要です。

なお、自賠責の基準では、7割未満の過失相殺はされません。

7割を超える過失があっても、過失による減額がおさえられているのです。

過失の程度によっては、自賠責の基準が他の基準で計算した慰謝料より、高額になる可能性もあります。

任意保険の基準

任意保険の基準とは、「保険会社各社が使っている慰謝料の算定基準」です。

任意保険の基準は会社によって異なり、基本的に外部の人間には見せてくれません。

加害者側の保険会社が示談交渉などの際に提示する金額は、この任意保険の基準がベースになっています。

任意保険の基準で計算した慰謝料は、自賠責の基準で計算した慰謝料より多少高めになっているのが特徴です。

ただ、前述したように被害者の過失割合によっては、自賠責の基準で計算した方が、慰謝料がより高くなることもあります。

加えて、任意保険の基準は弁護士や裁判所の基準より算出される慰謝料が小さくなることが一般的です。

相場としては、任意保険の基準の慰謝料相場は、弁護士や裁判所の基準で算出する慰謝料相場の6~8割程度が相場だといわれています。

自賠責の基準による慰謝料相場の計算には以下の計算式を用います。

「入通院期間(入院期間+通院期間)」と「実通院日数(実際に入通院した日数)×2」の少ないほうの数字に4,300円(旧4,200円)をかけた金額

弁護士や裁判所の基準

弁護士や裁判所の基準は、「一般的に3つの基準の中で最も慰謝料が高くなる計算基準」です。

すでにお話ししましたが、任意保険の基準で算出される慰謝料は、弁護士や裁判所の基準で計算する慰謝料の6~8割ほどが相場になります。

保険会社が提示する示談金額よりも、弁護士などに慰謝料を計算してもらった金額の方が、より高額になるのです。

弁護士や裁判所の基準は、弁護士が交通事故の慰謝料を計算するときや、裁判所で交通事故の慰謝料を決めるときに使われています。

慰謝料は通院日数が少なくても請求可能

交通事故にあって通院日数が少ないと「入院がなかったから慰謝料の請求は難しいかもしれない」「通院日数が少ないから慰謝料請求は難しいかもしれない」と思いがちです。

中には通院日数の少なさから、交通事故の慰謝料請求はできないと勘違いし、慰謝料を諦めてしまうケースもあります。

これは勘違いです。

通院の日数が少なくても、交通事故の慰謝料請求はできます

慰謝料とは、心の痛みや損害に対する穴埋めのための金銭です。

本来、心の痛みを金額に換算することはできませんが、他に穴埋めの方法がないため、仮に金銭換算して交通事故の被害者に支払われています。

通院日数が少なくても、通院による負担や苦労、怪我の痛みなどは確かにあったはずです。

人によっては仕事を休むことになり、同僚に対して心苦しい思いなどもしたことでしょう。

昇進に影響が出るのではないかと、不安になった人もいるかもしれません。

通院日数が短くても、精神的な苦痛はあるはずです。

よって、通院日数が少なくても、慰謝料の請求は可能なのです。

通院日数と慰謝料は比例する

慰謝料と通院日数には密接な関係があります。

基本的に通院日数が長いほど慰謝料が多くなり、通院日数が少ないほど慰謝料が少なくなる傾向にあるのです。

つまり、通院日数と慰謝料は基本的に比例の関係になります。

通院により慰謝料を請求する場合、通院日数をどのように計算するかが問題です。

通院日数と慰謝料が比例の関係であれば、交通事故の被害者にとって通院日数が1日増えればそれだけ慰謝料が増える計算になります。

また、間違って通院日数を少なく計算してしまうと、それだけ交通事故の慰謝料が少なくなってしまうわけですから、通院日数の考え方や計算方法は、交通事故の被害者にとって重要なポイントになるのです。

交通事故の慰謝料での通院日数の考え方や計算方法はどうなっているのでしょう。

通院日数の計算方法

交通事故の慰謝料算定に使う通院日数はどのように計算すればいいのでしょう。

交通事故の慰謝料に関係する「通院期間」と「通院日数」について説明します。

通院期間の考え方

交通事故による通院期間とは「治療または症状固定と判断されるまでの治療に必要だった期間」のことです。

交通事故後に通院したとしても、治療などの必要ではなかった期間や交通事故と無関係の通院は、通院期間とは認められませんので注意してください。

この他に、検査やリハビリのための通院も、通院期間に含まれるかが問題になります。

リハビリのための通院は、通院期間に含まれるのが原則です。

交通事故の怪我のリハビリをしているということは、リハビリによって症状が改善するという医師の判断があるからです。

症状が改善する可能性があるということは、症状固定には至っていない治療期間であるという考えから、通院期間に含めるのが基本になります。

交通事故の怪我の治療に必要な検査であれば、検査も通院に含まるのが原則です。

たとえば、事故当日に事故現場の近くの病院で検査をし、後日通いやすい自宅近くの病院に転院する。

このように治療や通院の都合で転院や検査、治療をしたとしても、通院期間に含めることができると解釈されています。

ただし、転院などが発生する場合や治療が別々の病院に分散した場合などは、後のトラブルを避けるために、担当の弁護士や事故当日に診察した医師、保険会社などに相談しておくことが重要です。

通院日数の考え方と計算方法

慰謝料算定時の通院日数は1カ月を30日として考えます。

月の中には31日の月や28日の月などもありますが、交通事故の慰謝料算定では1カ月は30日で計算するのです。

たとえば、1月1日から2月末日まで通院したとします。

1月は31日あり、2月は28日までありました。

通常は31日と28日を合算して59日として計算するはずです。

しかし交通事故の慰謝料の場合は、1月を30日、2月も30日として計算し、合計60日で算定します。

暦通りの日数で計算せず、1カ月は「30日」とする点に気をつけてください。

仮に通院が1月1日から3月末日までだと90日、1月1日から4月末日までだと120日になります。

通院日数や通院期間の考え方、計算方法などで疑問があれば、弁護士に確認することをおすすめします。

通院日数や通院期間の注意点

通院日数や通院期間に考え方について、注意したいポイントがあります。

通院日数が比較的短い場合、交通事故の怪我の程度が軽症であったり、自覚症状がなかったりするケースもあります。

しかし、交通事故当日は怪我がないと思っても、後から脳挫傷などの症状が出ることもあるのです。

通院日数や通院期間では、交通事故から病院を受診するまでのブランクに気をつける必要があります。

交通事故から病院の受診・通院まで日にちが空いてしまうと、交通事故との因果関係を認めてもらえず、交通事故の慰謝料請求が困難になる可能性があるのです。

通院日数や通院期間について「事故後の怪我による通院ではないか」と加害者側から反論され、思うように慰謝料の請求が進まない可能性があります。

交通事故と通院開始の間に長いブランクを生じさせないよう注意が必要です。

また、通院期間内の実通院日数が少ない場合も注意が必要になります。

たとえば通院期間6カ月で、実通院日が2日間だけだったらどうでしょう。

交通事故の怪我の治療にしてはあまりに実通院日が少ないのではないか、別の病気や怪我の通院ではないのかと指摘されるかもしれません。

そうなると、慰謝料の減額につながる可能性があるのです。

また、後遺障害が残った場合に実通院日が少ないと後遺障害の認定を受けにくくなることがあります。注意してください。

15日通院した場合の慰謝料の相場

通院は1カ月に満たない短期の場合も請求できます。

交通事故の慰謝料相場を知るために、通院日数ごとの慰謝料相場を見ていきましょう。

まずは通院15日の慰謝料相場です。

通院15日の慰謝料相場は、3つの基準のどれを用いて計算するかによって変わります。

自賠責の基準で計算すると、慰謝料の相場は64,500円です。

任意保険の基準では、短期の通院は自賠責の基準に近い金額を採用する傾向があります。

15日の通院では、6万円ほどが交通事故慰謝料の相場です。

弁護士や裁判所の基準で計算すると、9万5,000~14万円が慰謝料の相場になります。

MRIなどに病変が写らない軽症の場合は9万5,000円が相場で、MRIに病変が写る重傷のケースで14万円ほどが慰謝料相場です。

1カ月通院した場合の慰謝料の相場

通院1カ月の慰謝料相場も、計算に用いる基準で異なります。

自賠責の基準を用いて計算した場合の慰謝料相場は12.9万円です。

任意保険の基準は1カ月ほどの短期通院だと、自賠責の基準に近い金額を採用することが多いので、相場はほぼ同じで約13万円になります。

弁護士や裁判所の基準を用いて計算した場合は、交通事故の慰謝料相場がさらに高くなり、相場は19~28万円です。

MRIに病変が写らない軽症での相場が19万円。

MRIに病変が写る重傷の場合の相場が28万円です。

2カ月通院した場合の慰謝料の相場

通院2カ月の慰謝料相場は、自賠責の基準で計算すると25.8万円ほどです。

弁護士や裁判所の基準で計算すると、自賠責の基準より慰謝料相場が高額になります。

弁護士や裁判所の基準で計算した2カ月通院の場合の慰謝料相場は36~52万円です。

交通事故による病変がMRIに写らない軽症での慰謝料相場が36万円。

MRIに交通事故による病変が写るような重症の場合の相場が52万円になります。

4カ月通院した場合の慰謝料の相場

通院4カ月の慰謝料相場は、自賠責の基準で計算すると43万円ほどが相場になります。

任意保険の基準では、自賠責の基準の相場と弁護士や裁判所の基準の中間あたりの金額が相場です。

ただし、保険会社によって自社で運用している任意保険の基準が異なりますので注意してください。

通院4カ月の慰謝料を弁護士や裁判所の基準で計算すると、67~90万円ほどが相場になります。

むちうちなどの場合が67万円ほど慰謝料相場になり、むちうち以外では慰謝料相場が上がって90万円ほどになるのです。

6カ月通院した場合の慰謝料の相場

通院6カ月の交通事故慰謝料相場は、自賠責の基準で計算すると約69万円です。

任意保険の場合も短期の通院などでは、自賠責の基準に近い金額を採用する傾向にあるため、同程度の金額が交通事故慰謝料の相場になります。

弁護士や裁判所の基準で計算すると、通院6カ月の慰謝料相場は89万円ほどです。

まとめ

交通事故の慰謝料は、通院が短期間の場合や怪我の程度が軽いと請求できないと勘違いしがちです。

交通事故で怪我を負った以上、怪我の痛みや通院による心理的な負担、休業による不安が発生します。

交通事故による通院がごく短期間でも、慰謝料請求が可能です。

通院が短期間だから慰謝料請求できないと断定せず、負った分の痛みの補填である慰謝料をしっかり請求することをおすすめします。

慰謝料と通院の日数は比例の関係にあります。

基本的に通院が長くなると、慰謝料の額も大きくなる傾向にあるのです。

通院期間ごとの慰謝料の相場もありますが、相場はあくまで相場でしかありません。

慰謝料は、個別ケースにより減額や増額の可能性があります。

自分の交通事故の具体的な慰謝料相場を把握したい場合は、弁護士に相談して相場を計算してもらうことをおすすめします。

▼著者紹介

交通事故に精通している弁護士法人ベンチャーサポート法律事務所。

交通事故案件を専門に扱う専門家集団から発足。

グループ法人内に弁護士・税理士・司法書士・行政書士・社会保険労務士が全て在籍しているため、あらゆる交通事故に関するご相談に確実にいち早く対応できる体制を整えている。

交通事故に精通している弁護士法人ベンチャーサポート法律事務所

【知らないと損】交通事故慰謝料の計算における通院日数と通院期間について


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