男尊女卑はいまや昭和のはなし…令和は男女同権マストのはずでしょ?
たしかに、ここ最近はセクハラの認知度があがってきて、セクハラ自体は減少傾向。けれど、コロナによってあらたなハラスメント問題勃発?おまけにマタハラは、上昇傾向!!
やっぱりまだまだ、女性が働くにはむずかしい。ハラスメントされたらどうすれば良い?どうする働く女子!
目次
セクシャルハラスメント、受けたことがある?~けっこうな人数が被害に遭っている~
女性が被害を受けることの多い行為、それはセクシャルハラスメント(以下セクハラ)です。おしりを触る、胸を触るといった直接的な行為から、卑わいな言葉をいったり、画像を見せたりとセクハラの持つ意味は広義にわたります。
とはいえ、ハラスメント行為を受ける女性は果たして本当に多いのでしょうか?
日本労働組合総連合会が2019年5月に発表した『仕事の世界におけるハラスメントに関する実態調査2019』によるとセクハラを受けたことのある人は、なんと37.7パーセント!実に女性の4割近くが、セクハラを受けたことがあるという結果になりました。
なお、「ハラスメントの内容」の1位から3位は以下のような結果になりました。
受けたハラスメントの内容の統計ランキング
順位 | 割合(%) | ハラスメントの内容 |
1位 | 40.7 | 脅迫・名誉棄損・侮辱・ひどい暴言など精神的な攻撃 |
2位 | 37.7 | セクシャルハラスメント |
3位 | 26.6 | 私的なことに過度に立ち入ることなどの個の侵害 |
※複数回答なので100パーセントを超えます。
上記から、1位のパワーハラスメントと並んで、セクシャルハラスメントが高い確率で起きていることが解ると思います。
セクハラはいつ生まれた言葉なの?
セクハラという言葉が、生まれたのは1989年。ちょうど年号が昭和から平成に変わったころのことです。セクハラと言う言葉は流行語にも選ばれました。また、裁判でも、日本ではじめてのセクハラ裁判がおこなわれました。
こちらの裁判は1992年に、女性側の全面勝訴で幕を閉じました。裁判や女性の社会進出の増加も相まって、セクハラが世間に認知されていったのです。
ちょっと寄り道!昭和平成令和のセクハラについて
平成初の流行語にセクハラが選ばれたとお伝えしましたが、実は平成30年。つまり平成最後の年にも、セクハラに関する言葉、「#Metoo」流行語に選ばれています。テレビやネットでも大きく話題になったので、耳にしたことがあるひともいるのではないでしょうか。
平成のはじめは、セクハラの実態に対する認知が追い付いていませんでした。しかし、平成最後になると、女性が自ら「セクハラをされた」ということを発信することが出来る世の中になりました。
良いことである反面、ハラスメント問題に対して、世間の目が厳しくなり、「誤認」の危険性も増えてきています。私見にはなりますが、これからは誤認が生まれないように、セクハラ行為や言動の線引きについて課題になるのではないかと感じています。
間接的ハラスメントがコロナで急増!リモハラってどんなハラスメント?
2020年3月の中旬ごろから、新型コロナウイルスの流行が急速に拡大し、リモートを導入する会社が増えました。筆者も例にもれず、6月くらいまでリモート勤務でした。
新型コロナウイルスの流行以前は、5パーセント程度だったリモート勤務の経験者が、大手企業を中心に43パーセント程までに増加しました。わずらわしい満員電車もなく、自宅で仕事ができる環境をよしとした方も少なくないのではないでしょうか。
しかし、新しい仕事形態が増えると、新たな問題が浮上するのは世の常。リモートハラスメント、略して「リモハラ」と言う言葉が登場しました。リモートハラスメントに該当する行為は、おもに以下のようなものになります。
- ・室内の様子を見せてと言われる
- ・服装を指摘する
- ・全身を映せと強要する
- ・化粧の有無をチェックされる
- ・オンライン飲み会を1対1で求めようとする
- ・LINEなどSNSでのプライベートなつながりを強要する
上記を確認すると、「受けたハラスメントの内容の統計ランキング」の3位に入った、個の侵害に該当するのではないかと思います。また、服装の指摘や化粧の有無は、セクハラにも当てはまるでしょう。
個人的に、リモートの普及は子育て世代の方や遠方に自宅がある方にとって、仕事の多様性を広げる利点があると思っていますが、いろいろ問題がありそうですね。
実際に、筆者の友人にもリモハラ的なことに遭った友人もいます。「リモートならセクハラはないから」や「部屋のかわいいなあ。もっと見せてよ」…うん、難しいですね。
女性同士だと、ままある会話のような気がします。しかし、男性、それも上司に言われると、ひとによっては嫌な感じを覚える方もいるかもしれません。
また、オンライン会議で、ZoomやSkypeなどのオンライン会議ツールを利用すると、どうしても部屋が移ってしまいますよね。プライベートと仕事を線引きしている女性(男性)にとっては、普段の生活を覗き見られている気持ちを覚えるかもしれません。
リモハラの予防策はあるの?
リモハラを未然に防ぐ方法として、オンライン会議しているときの背景を、自分の部屋と違ったものに設定することが挙げられます。会議をしているとき、相手方の背景に、ベッドや趣味のグッズ、本棚などがうつりこむとつい、気になってしまうことがありますよね。
筆者は読書が好きなので、相手の部屋に本棚があるとついつい、「どんな本があるんだろう」と注目してしまいます。プライベートを感じさせるものがある、他人の部屋に自分の趣味と似たものがあると、興味がいきがちです。このように無意識な「個の侵害」を防ぐため、背景はバーチャル背景を設定すると良いでしょう。
また、どうしても顔を見せたくないというときは、事前に上司に断って音声のみの参加を打診してみるのはどうでしょうか。
とはいえ上司としては、部下がちゃんと仕事をしているのか、きちんとした態度で会議に参加しているのかという心配があります。したがって、オンライン会議では、バーチャル背景を活用して臨んだ方が良いかもしれません。
リモートで仕事するなら連絡はこまめに!
前述のように、上司は部下がリモートでサボってやしないだろうかという心配があります。したがって、レスポンスが遅いと「LINEを教えてくれ」といった別の連絡手段として、プライベートで使用しているSNSのIDを聞こうとするかもしれません。
「プライベートで使用しているアカウントは絶対に教えたくない」、「仕事のひとには絶対プライベートを見られたくない」と固く決めている方は、レスポンスを早くすることもリモハラの予防策と言ってもよいかもしれません。(こういった場合は必要にかられてなので、リモハラに該当するかは微妙とは思いますが)
男女のハラスメント意識の違い~悪気はないのはわかってるけど…それハラスメントですから!~
「女のくせにかわいくないなー」、「スカートはいてこいよ」「なんでヒールはかないの」等のような言動は、すべてハラスメント行為になる可能性があります。
時と場合にもよりますが、会社で言われたらあんまり良い気はしないですよね。
ところが、上述したセリフをいう男性は、何も女性を不快にさせようとして言っているわけではありません。当然のこととして、無意識にハラスメント行為をしていることが多いのです。
反対に、「男のくせに」「力なさすぎ」「男でしょ。しっかりしてよ」も女性から男性へのハラスメント行為にあたる可能性がありますので、注意してください。
男女同権とはいえ、男女に性差があるのは事実です。体のつくりから、力、体力面。それから一部脳の働きにおいても性差があると言われています。
こうした、無意識下におけるハラスメント行為を受けた場合、どのような対処法があるのでしょう。
悪気のないハラスメント行為を受けた場合、どうすれば良いの?
無意識・意識的の区別なく、ハラスメント行為を受けたことが無くなるわけではありません。したがって、多くの会社がハラスメントの研修を導入し、不注意な発言をしないよう努力しているわけです。
とはいえ、「特定の言動(行動)以外は良い人だから、なるべく大事になるのは避けたい」、「その言動を止めてくれるなら別に今まで通りの関係でいたい」と考える方もいらっしゃるでしょう。そういったときは、人事や労働組合、労働基準局に相談する前に、ハラスメント行為をしている人に警告をしても良いかもしれません。
ハラスメントというと、今後の中に支障が出てくるかもしれませんので、「その言動傷つくのでやめてもらえませんか?」のように伝えてみても良いと思います。相手がハラスメント行為と気づいてくれたら一件落着ですし、それでもなおハラスメント行為をするようであれば、同情の余地なしです。
悪質なハラスメントは犯罪案件かも!~過度な我慢はダメ絶対~
これまで、ハラスメントについてさまざまな観点から考えていきました。ハラスメント行為は多岐にわたることがお分かりいただけたと思います。読んでいて、心当たりがあるかたもいらっしゃるのではないでしょうか。
「自分が我慢すればいい」「我慢していれば、いつか終わる」と考えてしまいそうになりますが、病気やいじめと同じで、対処しないと、悪化してしまう可能性があります。更に付け加えれば、犯罪の被害者になってしまうこともあるのです。
具体例を挙げると、セクハラのエスカレート化があります。上司など会社で胸やお尻などを触れていたとしましょう。痴漢の被害と同じく、なかなか言い出せず、「どうせ会社の中だけなんだから」と割り切って考えていると、セクハラをしている側としては、「あ、何やっても大丈夫なんだ」というとんでもない脳内変換をすることがあります。時間が経つうちに行為がエスカレートし、性犯罪にまで発展する可能性があるのです。
接触型のセクハラは、行為にもよりますが強制わいせつや軽犯罪法違反、強制性交等の罪などに問われることがあります。
性的犯罪は、女性に(男性ももちろんそうですが)大きな心の傷を負わせることになります。PTSD、つまり心的外傷を抱えてしまい、日常生活をうまく行えなくなることもあるのです。
また、会社でセクハラが公然と行われている場合、次第に周囲のひとも「異常事態」になれてしまい、「たかだかセクハラされたくらいで」と、価値観が狂っていくこともあります。すると、セクハラ被害を訴えたとしても、事の大きさが周囲に理解されず、「セカンドレイプ」を引き起こすかもしれません。
辛いと感じたら、誰かに相談してください。周囲に信頼できる人がいない場合は、以下のような機関もあります。
- ・みんなの人権ダイヤル
- ・会社のある地域に設置されている労働局・労働基準局
- ・総合労働相談コーナー
※セクハラだけではなく、ハラスメント全般を取り扱っています。
悩んでいる方は、上述した機関に相談することを検討してみても良いかもしれません。
まとめ
今回は、女性の受けるハラスメントについて考えていきました。女性の労働に関する法律は、労働基準法で定められているものをのぞき、施行され始めたのは、1986年以降と比較的最近のはなしです。
そのため、置かれている環境によってはまだまだ女性は厳しい立ち位置にいるのかもしれません。
しかし、現在は法整備も進み、2020年6月にはセクハラ・マタハラ防止の法律が強化されたり、パワハラを防止するための法律も一部施行されています。ハラスメント行為に関しては、耐え忍ぶことなんてありません。自身のこころが壊れてしまう前に、誰かに相談してほしいと強く感じています。