企業に勤める方や個人事業主の方は、誰しも一度は「契約書」の締結や変更に携わったことがあると思います。頻繁に取り扱う書類ではありますが、契約書の存在そのものはおろそかになりがちです。しかし、契約書は会社や個人事業主とその契約相手を結び付ける絶対的なルールであるため、これに違反したり契約書そのものに不備があったりすると、相手側との友好関係に亀裂が生じるだけでなく、企業の存続にも大きく関わってきます。
そこで今回は、そのような事態を防ぐ「リーガルチェック」の重要性について説明していきます。
・リーガルチェックとは
リーガルチェックとは、作成した契約書が法的に妥当であるか、リスクが存在しないかを契約書のプロである専門家にチェックしてもらうことをいいます。契約書はその条項や文言のちょっとした違いで経営が傾いてしまうことが十分に考えられます。
また、法律・条令の改正で契約書を改訂しなければならないといったこともめずらしくありません。弁護士等の専門家にチェックしてもらうことで、そういった急な事態を回避することができます。
・契約書に不備があるとどうなる？
契約書に不備があった場合、さまざまな不利益を被る可能性が発生します。一つは、法令順守(コンプライアンス)における問題です。法令順守(コンプライアンス)とは、企業が法律や企業倫理を遵守することを意味します。どれだけの大企業や優良企業であってもたった１回のコンプライアンス違反によって経営が傾くケースがあります。リーガルチェックはコンプライアンス対策の基本となるものとなります。
また、契約書の記載内容は相手先との権利・義務関係を示す根拠になるため、契約書作成においてこちら側に不備があると、トラブル発生時に不利益を被る恐れがあります。そういったリスクを回避するためにも、契約書の記載内容は細かな文言までチェックする必要があるのです。
・契約書のリーガルチェックのポイント
契約書のリーガルチェックを依頼するにあたってはいくつかポイントがあります。
まずは依頼する弁護士や行政書士の選定です。契約書のリーガルチェックにおいて依頼した相手が経験不足であった場合、満足する結果が得られない恐れがあるからです。
依頼する専門家を選んだら、作成したい契約書の内容やチェックを依頼したい契約書の内容を伝えます。初回相談は無料で行なってくれる専門家もいますが、相談の際には時間ごとに相談料が発生することも多いため、伝える内容は事前にしっかりと整理しておきましょう。
また締切日や予定の時間に間に合わないといった最悪の事態を避けるため、いつまでにチェックしてほしいなどといったスケジュールに関してはしっかりと見積もりを行なわなければなりません。契約内容の変更や追加にも十分に対応できるよう余裕をもったスケジューリングが重要です。
・まとめ
このように、契約書作成におけるリーガルチェックの重要性は非常に高く、必要不可欠であるといえます。作成時においても、万が一のトラブル発生時においても、リーガルチェックが「なされていた場合」と「そうでない場合」では対応の仕方が大きく変わってきます。トラブル対策をしっかり行ない、安心して業務に専念するためにも、重要な契約書はリーガルチェックを行なってもらうようにしましょう。
