日本法規情報株式会社(本社:東京都新宿区 代表取締役 今村 愼太郎)(http://www.nlinfo.co.jp/)は、インターネットアンケートを実施し、「残業代に関するアンケート調査」について発表しました。(日本法規情報株式会社では定期的に法律関連の話題に対して意識調査を行い発表しております)
弊社による前回リリースでは残業代が発生している場合「会社に請求する」と回答した人は33%となり3人に1人が請求の意思を持っていることについてご報告いたしました。
目次
◆残業代が出ない場合「会社への請求する」と答えたのはおよそ4割
「会社のために残業をして働いているのに残業代は支払ってもらっていない」「退職したが支払ってもらっていない残業代がある」場合、その残業代をきちんと会社側に請求する人はどの程度いるのか調査を行いました。 従来であれば、会社との関係を恐れ、請求しないと考える人が多いと思われがちですが「会社に請求する」と回答した人は40%となりおよそ5人に2人が請求の意思を持っていることがわかりました。
アンケートの結果、「会社に請求する」と答えた人は40%、「会社との関係もあるので会社には請求しない」と答えた人は26%となりました。 「残業は自分の責任なので会社には請求しない」と答えた人は11%、「退職した後であれば請求する」が4%となり、「残業代をもらえないこと」より「会社との関係を気にする」傾向は依然としてあることが分かりました。また、そもそも「会社に請求できるのを知らなかった」という人も19%いました。(※前回弊社リリース)
そこで、どのような場合に「残業代請求」が出来るのか労働者側がどの程度知っているのかアンケートを行いました。
結果的に残業代請求に対する知識が少なく、情報が少ない現状が明らかとなりました。
◆「未払いの残業代の請求期間」、知らなかったが81%
残業代請求が可能な期間は、労働基準法によってきちんと定められていて「遡って2年間」の残業代請求しかできないとされています。この間に請求を行わないと、時効によってもらえるはずの残業代は消えてしまう事になるのです。そしてこの時効について「知らなかった」と答えた人が81%、「知っていた」と答えた人は19%に留まりました。
次に年俸制を採用し、残業代に関して明記していても残業代を請求できる場合があることについての認識度について調査を行いました。
◆「年俸制を採用していても残業代の請求権がある」、を知らなかったが82%
「残業代が出ない旨を記載した雇用契約を締結した」「年俸制だから残業代は出ない」、などという理由で、残業代を支払わない会社がありますが、実はこれは違法です。
つまり、年俸制によって例えばみなし残業を30時間分としていたなら、それを超える残業をした場合については当然その分の残業代の支払いが発生するのです。けれどもこの事実を「知らなかった」と答えた人は82%、「知っていた」と答えた人はわずか18%に留まりました。
残業代は、本来きちんと支払ってもらうべきお金です。そして労働者側にはきちんと残業代を請求する権利が法的にも認められています。「自分だけ請求するのは気が咎める」などと諦めて泣き寝入りしている人が多い現状も問題ですが、労働者側においても「残業代は自分の労働の対価として正当な権利」であることをきちんと認識し、なおかつ「労働基準法の正しい知識」を身につけ意識を高めていくことが必要になってきていると考えます。
※残業代請求については弁護士にご相談されることをお勧めします。請求できないと思っている残業代も請求できることを指導してもらえる可能性があります。
『残業代請求・労務問題相談サポート』 https://www.soudan-form.com/zangyodai-henkan/
日本は、国際的にも長時間労働をしている割合が多く賃金不払い(サービス)残業や過労死が問題になっています。
厚生労働省では既に賃金不払い残業(サービス残業)解消のための取組が為されており、労働時間の管理の適正化と賃金丌払残業の解消のために各企業の労使が取り組むよう指導がされています。
※厚生労働省 『賃金不払残業(サービス残業)是正結果の概要(平成23年度監督指導結果)』平成23年4月から平成24年3月までの1年間に、残業に対する割増賃金が丌払いになっているとして、労働基準法違反で是正指導した事案のうち、1企業当たり100万円以上の割増賃金が支払われた事案の状況は、以下のとおりです。
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【是正企業数】 1,312企業 (前年比 74企業の減)
【支払われた割増賃金合計額】 145億9,957万円 (同 22億7,599万円の増)
【対象労働者数】 11万7,002人 (同 1,771人の増)
【1企業での最高支払額】 26億8,844万円(建設業)
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※サービス残業は使用者の労働基準法違反です。サービス残業の存在を知りつつ放置する行為は刑事罰にあたる違法行為とされています。
また、サービス残業はとかく長時間労働を招く傾向があり、過労死や過労自殺、その前段階でうつ病などの精神疾患を発生させる原因となる事例も多数報告されています。
■日本法規情報株式会社について
日本法規情報株式会社は、「どこに相談したら良いか“わからない”を“わかる”に変える」をコンセプトに、様々な相談を解決できる相談パートナーと悩みを抱える相談者の両者を結ぶ接点となるサービスをご提供しております。全国約1000の相談パートナーと月間約1万件の対応実績を持ち多くの相談者の悩みの解決の一助となっております。
■相談者調査レポート 関連サイト
『残業代請求・労務問題相談サポート』https://www.soudan-form.com/zangyodai-henkan/
『人事・労務・社会保険相談サポート』
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