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交通事故から示談成立までの流れ - 相談サポート通信|アスクプロ株式会社

 不慮の事故による死亡の原因としては、主に転倒・転落、溺死・溺水などがありますが、最も大きな割合を占めているのが「交通事故」です。交通事故は被害者として関わるだけでなく、故意が無くても不注意などの過失によって加害者になってしまうことがあります。

 そこで、今回は交通事故が起きてから示談が成立するまでの流れを見ていきます。

・交通事故から示談成立までの流れ

 交通事故にあった場合、事故状況を検証した上で示談または裁判などの手段により、相手方に損害賠償を請求することができます。

 示談とは、交通事故の当事者同士がお互いの話し合いの上で紛争を解決することをいいます。一度示談が成立してしまうと、やり直しがきかないため注意が必要です。特に、保険会社は営利企業なので、できるだけ低価格の示談金を主張してくることが多く、事故に遭った直後の被害者が交渉に慣れた保険会社の担当者と一人で交渉した結果、不当に低い交渉額で示談が成立してしまうようなケースもあります。

 ここでは、交通事故が発生してから示談が成立するまでの流れを追っていくことで、どのタイミングでどのような交渉をするべきなのか、具体的にどのようなことが行なわれるのかみていきます。

○交通事故の発生

 被害者・加害者どちらの立場だったとしても、警察への連絡と保険会社への通知は必ず行う必要があります。

 交通事故が発生した時に、警察への報告義務を怠ると、3か月以下の懲役または5万円以下の罰金という刑事罰を受けることになります。警察に連絡したあと、可能であれば自分で事故現場の状況を記録します。被害者である場合は難しいかもしれませんが、損害賠償請求をする際に重要な証拠になるため、できるだけ収集しておきたいところです。目撃者がいた場合は、後に証言してもらうかもしれないので連絡先を聞いておきます。

 また、事故現場だけでなく相手方に関する情報も確認しておく必要があります。加害者が協力的でない場合には、車のナンバーだけでも写真に撮っておくことが大切です。

 

○治療を行う(入院・通院など)

 交通事故に限らず、転倒や衝突など何らかの事故に遭遇した場合は、見た目で大きな怪我が無くても必ず病院に行きましょう。自分で気が付いていないだけで内部に何らかのダメージを負っていて、後になってから障害が残ってしまうこともあります。骨折や脳内出血、むち打ち症、捻挫など後遺症になるという診断が下された場合は、その後、後遺障害等級認定申請を行う必要があります。

 入院中や通院中に相手方の保険会社が示談を始めようと話を切り出しに来るかもしれませんが、実質的な話し合いに入るのはあまり適切ではありません。怪我が完治または症状固定と診断されて初めて請求額が決まります。

 

○症状の確認

 治療を行ない、これ以上治療を継続しても症状の改善が見込めない状態になった場合、それ以降に発生する治療費は請求できないことになります。その状態を「症状固定」といいます。

 「症状固定」の段階で手足が動かない、関節が曲がらない、末端がしびれる、痛みが消えないといった障害が残っている場合、「後遺障害等級」の認定を受けることができ、後遺障害等級に応じた賠償金を請求することができます。

 保険会社はある程度の期間が経った段階で、「症状固定」とするように求めてきますが、簡単に応じてしまうと適正な範囲での補償が受けられなくなってしまうことがあるので、慎重に行ないましょう。

 

○示談交渉の実施

 ここから示談交渉の開始です。

 損害賠償には、「自賠責基準」・「任意保険基準」・「裁判基準」の3つの基準があります。相手方の保険会社から示談金の提示がなされますが、相手方の保険会社が提示してくるのは多くの場合、3つの基準の中でも「任意保険基準」といわれる2番目に高額な基準の示談金です。示談金の金額に納得がいかない場合には、弁護士に示談交渉を依頼することで適切な金額へ上げることができます。

 示談が成立したら和解契約書を作成し、お互いが納得したという証にします。示談書は法的な効力が極めて強く、一度成立したら破棄することはほとんどできなくなります。

 

 交通事故発生から示談成立までの流れは発生・治療・症状固定・示談交渉という段階を経ます。はじめてのことでよくわからないまま悩んでしまうこともありますが、まずはそれぞれの局面で落ち着いて対応することが大切です。

 

・示談交渉の連絡方法は何が良い?

 示談交渉の連絡方法には、電話、内容証明郵便、直接会うといった手段がありますが、それぞれ状況や局面に応じてメリットとデメリットがあります。

 電話や直接会うという方法は相手の様子や機嫌に合わせて対応できるという利点がありますが、感情的になってしまったり、緊張してしまったりといったこともあり、うまく交渉できないという欠点もあります。また、相手側の保険会社と連絡する際には、被害者が一方的に押されてしまう可能性もあります。

 よって、弁護士などに依頼しているときには、示談交渉の連絡を極力弁護士に任せて、被害者は積極的に連絡を取らないことをおすすめします。

・まとめ

 突然の交通事故で混乱してしまうのは致し方ないことですが、事故直後、入院・通院時、示談交渉など一つ一つの局面で、できるだけ落ち着いて適切な対応をしていきたいものです。交通事故後の示談交渉が不安な場合には、弁護士に相談することもひとつの手段として検討することをおすすめします。

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