労働問題を自力で解決しようとして最初に困ることは、独学しようにも労働に関する法律を解説する本はあまりに多く、どの本を読めばいいかわからないということです。
また法律の条文について詳しく解説されていても、学説が対立していたり、裁判例が学説と異なっていたりするため、十分ではありません。
そこで必要とされるのが、個別のケースについて適切な判断を下せる専門家の存在です。
ここでは、そのようなときに頼るべき弁護士に労働問題を相談することのメリット・デメリットを紹介させていただきます。
目次
労働問題を弁護士に相談するメリット
労働問題を弁護士に相談するメリットには次のようなものがあります。
どんな労働問題も一括して解決してくれる
労働問題を抱えた方は、相談する際に、どの専門家に頼ればいいのか悩まれるかと思います。
労働問題を相談する機関には労働基準監督署や労働局がありますが、これらは斡旋手続きをすることはできても、法的拘束力は伴っていないため、必ず解決できるとは限りません。
また、弁護士以外にも労働問題を取り扱う資格は数多く存在しますが、弁護士であればどのようなケースであっても交渉から労働審判まで幅広く解決することが可能です。
労力を省くことができる
労働問題を解決するには、証拠集めや手続きが必要です。これをすべて一人でやろうとすれば、多大な労力と時間がかかってしまいます。
弁護士に相談することで、このような証拠集めや手続きにかかる時間を大幅に節約することができます。
生きた労働法を熟知している
実際に争いになれば、法律の解釈や適用をめぐって相手方と闘うことになります。しかし、細かい事例ごとに裁判所の判断が違うことや、同じような事例でも時を経るにつれて裁判所の判断が変わることがあります。
そのため、条文の知識を知っているだけでなく、実際の事件の解決をこなしている弁護士でなければ裁判で思わぬ不利益を受けてしまうかもしれません。
適切なアドバイスを受けるには、労働問題に精通した弁護士が最適です。
有利に交渉することができる
一番あってはならないことは、労働問題が生じていても、交渉で相手に丸め込まれてしまうことです。
弁護士に相談すれば、法律問題を客観的に判断して、有利に交渉を進めることができます。
まとめ1
いかがでしたでしょうか。以上が労働問題を弁護士に相談するメリットです。次に、労働問題を弁護士に相談するデメリットについてみていきましょう。
弁護士に労働問題を相談するデメリット
最初に弁護士に相談するメリットについてみていきましたが、弁護士に相談するデメリットもあります。
弁護士選びが大切
例えば、相談した弁護士が労働問題を専門にしている弁護士ではないことがあります。
このような場合、手続きや証拠集めに時間がかかってなかなか解決しなくなることや、交渉を有利に進めることができなくなる可能性があります。
またそもそも労働問題に力を入れていない弁護士に頼むと、なかなか臨んだ解決にはむかわない可能性が高くなります。
そのため、弁護士を慎重に選ばなければなりません。
まとめ2
労働問題を弁護士に相談するメリットは多く、弁護士に解決を求めることで雇用主と労働者が対等な立場に立って交渉を進められるようになります。
労働問題でお困りの際には、弁護士への相談も視野に入れてみてはいかがでしょうか?