相続を経験する機会は、人生でほとんどなく、財産が絡んでくることから、相続はトラブルになりやすいです。相続のトラブルを防ぐために、どんな原因でトラブルが起こるのか確認してみましょう。
相続のトラブルが起こる原因とは?
相続のトラブルが起こる原因とは、以下のようなものがあります。
・遺言がある場合
遺言がある場合、その遺言が本当に本人が書いたものかどうか、本人がちゃんと判断能力がある時に書いたかどうか(=認知症などで書ける状態では無かったのではないか)、親族以外の人に財産を渡す旨が書かれていた場合、それが全て認められるかどうか等、様々なトラブルが生じます。
このようなトラブルは、遺言書を民法に規定された方式に従って正しく用意すれば、トラブルをある程度未然に防ぐ事ができます。
しかし、独力で遺言書を書くことは大変難しいです。しかも、遺言書の内容を確認するのが遺言者が亡くなられた後になってしまうと、その遺言書が無効となってしまった場合は、当然書き直すことはできず、民法に従った法定相続になってしまいます。
遺言書を書かれる場合には、どのような方式や内容で書くか、一度専門家に確認してもらうことが、トラブルを防止します。
・相続人が複数人いて、会うのが難しい場合
相続は相続人で協力して行う必要があります。
例えば、限定承認などは相続人全員が手続きをする必要があります。(民法924条)逆に、誰かが勝手に手続きをする前に、相続財産を処分した者(民法921条1項)がいた場合には、限定承認することができなくなります。
当事者だけでは話し合いが難しい場合、第三者の専門家を通して意見を合わせることで、スムーズな相続が可能です。
・相続が財産が何が分からない場合
例えば、被相続人と同居していた相続人と、別居していた相続人がいた場合に問題になります。別居していた相続人には、その財産が被相続人のものか、同居していた相続人のものか明らかではありません。もし、同居していた相続人が、自分の都合のいいように被相続人の財産を自分のものだと主張した場合、別居していた相続人の相続財産が減ることになるので、本当は誰の所有物だったのか、トラブルになることがあります。
また、相続財産には不動産の所有権といった権利から、借金といった義務まで含まれます。被相続人の相続財産がどのようか明らかにならないと、相続放棄するべきなのかどうか分からず、困ることになります。
経験豊富な専門家と一緒に
相続財産が何かを確定するのは、相続の大前提であり重要ですが、亡くなった人がどんな財産や債務を持っていたのか、あるいは持っていなかったのかを把握するのは容易なことではありません。
相続の手続きには期間制限があるものがあります。しかし、相続財産が何かが分からなければ手続きを進めることは出来ず、期限を逃してしまうことになりかねません。
専門家に依頼すれば、期限を自分で管理して気にすることなく、安心して相続を解決することが出来ます。
まとめ
このように、相続にトラブルはつきものですが、専門家である弁護士に依頼することで、トラブルを未然に防いだり、あるいは早期に相続を解決することが出来ます。もし、相続について何か悩んでいるのであれば、是非、一度ご相談下さい。