「過払い金」とは、本来払う必要が無く必要以上に債権者へ返済しているお金のことです。
過払い金が発生している際に引き直し計算を行うと過払い金を請求出来たり、借金が減額する場合があります。
返済しても返済しても借金が減らない…という時には高利率で借り入れを行い、過払い金が発生しているケースかもしれません。
以下では過払い金請求のメリット・デメリットをご紹介します。
過払い金とは?
そもそも貸金業者は二つの法律を守らなければなりません。利息や遅延損害金を一定の利率に規制する「利息制限法」と、金銭貸借に関する規制の「出資法」です。
まず、利息制限法1条1項に元本が10万円未満の場合に年利20%、10万円以上100万円未満なら年利18%、それを超える100万円以上なら年利15%と定められています。
しかしながらこの利息制限法は違反をしても何の罰則がありませんでした。
その一方で、出資法は刑事罰を科せられており、平成19年に改正をされるまでは利息制限法の利率と大きな違いがありました。
現在は年29.2%までに引き下げられましたが、昭和29年の出資法制定当初は年利109.5%もあったのです。
利息制限法を超えた利息は無効となりますが、出資法に規定された利率を超えないと刑罰が科せられない、というねじれた状況にありました。
この利息制限法の15~20%の年利と、出資法の上限である29.2%の間の利率はグレーゾーン金利と呼ばれます。
本来利息制限法の上限を超える部分の利息は払う必要がなく、この払いすぎた利息を「過払い金」と呼び過払い金請求を行うことができます。
過払い金のメリット
過払い金のメリットとしては、払いすぎた金額を返してもらうことができます。
上記で述べた通り、利息制限法の規定より高い利率で借入れを行ってた場合、その部分は本来払う必要がないので回収を行うことが可能となります。引き直し計算と呼ばれる利息制限法上の上限利率で再計算を行うと、借金が減額したり借金そのものが消滅する可能性があります。
また、現在完済した金融業者からも過払い金の請求を行える可能性もあります。高利率で完済を行った場合、過払い金が発生しているケースが多く存在します。
引き直し計算がわからない場合には弁護士等に相談し、本当に払うべき借金を確かめてみましょう。
過払い金のデメリット
過払い金にデメリットと呼べるデメリットはありません。しかし、過払金を請求を行うためには業者への開示請求が必要となります。その際、部分的にしか取引履歴を開示しない業者がいます。このような対応を行われた場合、残高ゼロ方式か推定計算のどちらかで過払い金を推測することになってしまいます。
これらの方法で導き出される過払い金はあくまで推測にすぎません。そのため正しい過払い金の金額を算出するには、明細書などの資料を基に計算を行う必要があります。
もし、明細書などを捨ててしまった場合は正確な金額が算出できません。なるべく明細書は捨てないでおきましょう。
まとめ
以上が過払い金のメリット・デメリットとなります。
本来払う必要がない過払い金は完済後でも取り戻すことが可能です。
なお、10年以上前に完済した借金は時効となるため、過払い金の請求を行うことはできません。